サロン文化が根付く神戸で、代々この地に暮らすお施主さま。音楽とともに育ったお子さまたちや若き音楽家のために、コンサートサロンを兼ねた自宅への建て替えを決意された。緑の庭を背景に、優れた音響で演奏できるサロンは、LDKとしても申し分ない居心地。建築家の石さんはこれをどう両立させたのか。
この建築家に
外観。建て替えは地形を大きく変えず、門扉や階段は以前と同じ場所に、カーポート奥の石垣も残し、記憶の継承を意識した。家は神戸の洋館らしいモダニズムを感じる佇まい。大きな建物だが、敷地の奥に寄せて配置し、さらに植栽を手前に計画することで街に対する威圧感をなくした
カーポート。奥の壁面の石垣は以前からあったものをそのまま残し、工事上やむを得ず解体した部分のみ元の姿に積み直した。天井はランダムに円形の窓を開け、内部を明るくしている。画像左の階段も位置を変えず、仕上げを新たにした
上空から見た家。手前が真南。道路を挟み向かい側に大きな建物があるため、窓を南西に向けて開口し、視線の先に緑豊かな庭を計画することで伸びやかな視界を確保した。庭と家の間には広いテラスがあり、カーポートの屋根もテラスの色に似せたタイルで計画し一体感を持たせた
エントランス。框を上がった右壁面の引き戸はシューズクローゼット。上部がアールの仕切りは、半分透けるガラスの扉が裏に付いており、閉じられる
1階LDK兼音楽ホール。すり鉢状に広がる大きな楕円形の吹き抜けで開放感たっぷり。ソファの正面、木目の収納の中にはテレビがある。木材、石、漆喰、布と素材が数多く組み合わさり、さらに居室の形が整形ではないことが、音響をより良くしている
1階LDK兼音楽ホール。右手前に和室、奥にアルコーブがあり、両室は演奏会のときの演者控室としても使用できる。演奏会がない日は一例としてこのようにレイアウトする。南西に向いた窓から豊かに光が入り、おおらか。2階部分にも同じ位置に窓があり、光が落ちる
ライトは石さんがデザインし、造作。洋風を基調に和の要素を取り入れる阪神間モダニズムに倣い、木質のフィンや漆喰の壁、職人による石壁が醸す少し和風な雰囲気に合わせたという。漏れる光まで美しい
































