札幌市の手稲区に、独創的な邸宅が誕生した。母国の気候に近い北海道へ、東京からの移住を決意した2人の英国人女性のための家だ。この地を選んだ決め手は、金山の雄大な眺望だった。一方で住宅街にあるため、隣家からの視線カットも必要となる。眺望とプライバシー確保の両立に成功した、この作品をご紹介しよう。
この建築家に
外観。2階が張り出し、札幌では珍しい寄棟屋根が目を引く。プライバシー確保のため、外側の窓は眺望を楽しむ最小限のものだけを配置。道路側の樹木も、大きく育つと目隠しになる位置に植えられている
坪庭に各部屋の窓が設けられ、光と風を取り込みつつプライバシーを確保している
階段上部の吹き抜けは、リビングの大空間に繋がる。2本の梁でシンプルな天井は構造面でも計算され、美しい。間接照明など、照明も同時に計算して組み込まれている
キッチンはすべて造作。間接照明が内庇の位置にあるが、その下に美しくキッチンを収めたかった。サイズ・美しさ・細かな要望に対応する時に造作で対応する
寝室。リビングやキッチンと同じトーンのデザインで。既製品とは思えない収納折戸は、見事に収められている
ダイニング。一番よく山が見える位置に配置されている。右側の窓からも絶景を楽しめるが、向かいの家からの視線が少し気になる。そこで右窓の前に植栽を配置した。将来、大きく育つと目隠しになる予定だ
外の空気に触れ、山の景色も楽しむことができるインナーバルコニー。テーブルと椅子が置かれ、紅茶も楽しめる。屋根があるので雪が入らず、便利な作りだ。手摺も造作。景色は楽しめるが、道路からの視線はカットできる設計となっている
遊び心あふれる隠し扉。実際に本棚としても使用できる造作の特注品で、説明がなければまったく気付かない
本棚は重量があるため、下部にローラーを組み込んだ。雰囲気がある開閉時の音がお施主様のお気に入り
構造設計:株式会社イエリード
施工:カベヤ建設株式会社
家具・ソファ造作:株式会社匠工芸