世界遺産・麗江(リージャン)古城の登録区域に含まれる白沙村。「玉龍雪山」の風光明媚な景観、水路が巡る古都の街並みに調和するリゾートホテル「青普麗江白沙リトリート」を設計した建築家の堤さんに、同プロジェクトにまつわるストーリーを伺った。
この建築家に
観光街・麗江古城から少し離れた場所にある、ナシ族の古都・白沙村。伝統的な民家が建ち並ぶ集落からインスピレーションを広げ、古民家をリゾートホテルへと再編集した
既存の木造部と新築するRC・木造の混構造部が違和感なく混じり合うよう、4つの建物が中庭を囲む伝統的な住宅様式「四合院形式」を踏襲しながら新築部を展開
古くから神聖な山として崇められてきた、世界自然遺産「玉龍雪山」を見晴らす絶好のロケーション。季節・天候・時間帯によって変化する多彩な表情も滞在中の楽しみとなる
「玉龍雪山」を望む高原都市・麗江。雪解け水が山から集落、さらに敷地内へと流れ込むイメージとともに、街の中に水路が巡る風景を敷地内で再現した
粗く積んだ五花石の壁に市松積を混在させ、伝統とモダンが融合した空間をデザイン。奥にいくほどに幅を持たせた台形のブロックを積み、立体感のある美しい市松模様を描き出している
「生きた文化財」としてナシ族の間で今も受け継がれる手漉き紙「トンパ紙」を合わせガラスで挟み、木格子を添えた光壁。放射状に広がる柔らかな光が空間をやさしく包み込む
ランダムな石のボリューム群を設定しつつ規則的に屋根を配置することで、周囲との調和を図った外観。テラスとともに軒下の半屋外スペースも眺望を楽しむ空間として機能する
最も印象的な景色を切り取れるよう、ゲストルームの位置に合わせて開く方向を吟味。同客室は農村を見晴らす方角に大きな窓を設け、ベッドもそちらに向けてレイアウトした
間接照明に浮かび上がる五花石の美しい石壁が見る者を圧倒。伝統的な石積みの重厚感と市松積の壁の抜け感のバランスによって、空間に奥行と多様性が生まれている
木・石・ガラス・塗り壁。質感の異なるマテリアルを組み合わせ、シンプルでありながら表情豊かに仕上げたレセプションルーム。一部を吹抜けにして空間にメリハリを持たせた
木・石・ガラス・塗り壁。質感の異なるマテリアルを組み合わせ、シンプルでありながら表情豊かに仕上げたレセプションルーム。一部を吹抜けにして空間にメリハリを持たせた
白沙村の文化・風習とともに、館内には禅のスタイル・わびさびを象徴するような日本的な落ち着きが宿る。ゲストルームもモダンでありながらどこか懐かしさを感じられる空間だ
プライベートな空間(ゲストルーム)とパブリックな空間を緩やかに区切る中間領域として水路を活用。壁で分断することなく連続性を担保したままプライバシーを確保している
露出された木造架構と五花石の硬質な外殻のコントラストを引き立て、軽快さと重厚さが対比的に表れるよう意図して設計。新旧の時間が入り混じったハイブリッドな空間が誕生
外部空間であるはずの廊下が、気づけば内部空間の一部である中庭へと転換。敷地内を回遊すると、外から内、内から外へと空間が拡張し、緩やかにつながり合う連続性を感じられる
山から雪解け水が流れ落ちる風景を模し、上層から下層への水の流れをデザイン。小さな滝のように流れる水の音が心地よく耳に響き、麗江の豊かな自然を五感で体感できる
すべてのゲストルームに専用テラスを設けるとともに、パブリックなプラットホーム(展望スペース)を自由に配置。お気に入りの「特等席」を見つけるのも楽しい
自然と建築、既存部と新築部。それぞれに共通項を見出すことで、相対する存在ではなく、すべてがひとつに重なり溶け合うような居心地のいい場所をつくり上げている
「地域・風土に根付く建築」というコンセプトのもと、経年変化した既存の柱や壁と、現代の意匠や素材を融合。木材も既存部に使われている物と近しい風合いの樹種を選び使用している
「四合院形式」を踏襲した敷地配置により、地域の文脈と連続する建築を形に。大門のてり(反り)のある屋根、五花石の美しい壁、魔除けの瓦猫もかつての面影をそのまま残している








