実家を二世帯住宅へ建て替えることを決めたお施主さま。その思いや細かな要望を丁寧に汲み取り、想像を超える住み心地を実現したのが建築家の塩澤ちひろさんだ。災害対策をはじめ安全性や機能性を高めつつ、住まい全体を美しいデザインでまとめ上げた。家族それぞれが快適に暮らせる二世帯住宅が完成した。
この建築家に
ボックス型のフォルムが印象的な外観。周囲の街並みに馴染む品のよい深いネイビーの外壁が、落ち着いた佇まいを演出している。建物の奥まった部分が玄関で、道路との1.7mの高低差に対応するため、階段と折り返しながら上がる緩やかなスロープを設けた
北側外観。右端の張り出した部分が客間兼和室で、北面と東面のみに開口を設け、西日が入るのを防いでいる。外構のコンクリートとフェンスが高さの印象を抑え、地盤の高低差を感じささせない外観となっている。フェンスは視線を遮りながらも、光と風を取り込む役目を担っている
隣接する家庭菜園から見た外観。右側のLDKとつながる広めのウッドデッキは、要望を反映した憩いのスペース。左側の壁面に収穫物を洗えるスロップシンクを設置した。1階左の戸はランドリーから物干しスペースに出る動線。2階のバルコニーは水害時の避難・救助としても機能する
落ち着きのある玄関。玄関と客間兼和室は直線でつながり、生活空間を見せずに来客をスムーズに案内できる
1階の客間兼和室。ベージュピンクを基調に、畳の縁や障子、照明に小菊のモチーフをあしらった柔らかな印象
1階の客間兼和室。東面と北面に開口を設け、西日の影響を抑える計画としている。背面には親世帯の寝室へとつながる引き戸を配置
1階の親世帯の寝室。正面の引き戸はクローゼット。仕切りには吊り戸を採用し、凹凸のない床面を実現した。左奥にはLDKが広がり、大きく開口することで空間同士が緩やかにつながる
1階の親世帯の寝室。廊下との仕切りは2枚引き込み戸を採用し、車いす使用時でも移動がしやすい計画とした。将来を見据え、寝室の正面にトイレを配置。方向転換がしやすい廊下幅も確保した。廊下を右に進むとLDK、左に向かうと客間兼和室や玄関ホールへとつながる
1階のLDK。キッチンの手前と奥、それぞれの通路が玄関へとつながる回遊動線を計画している。家族が集う空間は思い思いにくつろげるよう、シンプルなつくりとした。キッチンは奥様の要望で、造作家具の高さを揃えたフラットなデザインとし、LDK全体を見渡しやすくしている
1階のリビングダイニングからキッチンを中心に玄関へつながる回遊動線を見る。キッチンの左側は親世帯の寝室や客間兼和室の前を通るルート。右側は靴庫へ続くルートで、その並びに2階へ上がる階段を配置した。親世帯と生活時間帯が異なる場合でも気兼ねなく出入りできる動線計画
1階のキッチン(手前)、パントリー(奥)。パントリーの3枚引き戸はお施主さまが塩澤さん自邸のキッチン収納を気に入り採用。食材や家電をまとめて収納でき、LDKに生活感が出るのを抑えてくれる。右側には靴庫からの動線があり、玄関からすぐにパントリーにアクセスでき便利
1階のLDK。正面の窓際にはスポット照明を設け、ミシンコーナーに。奥まった場所は書棚付き作業スペースで、左手に進むと水回りへとつながる。明るい床色を基調に、壁面やキッチンなどでアクセントを加え、印象的な照明を組み合わせた、洗練された空間となっている
1階の洗面から脱衣所を見通す。奥の右側は浴室。左へ進むとランドリーからファミリークローゼットと続き、撮影地点へ戻ることができる。「コンパクトにまとめるだけでなく、洗面から着替え、洗濯・物干しから収納の流れをスムーズに整えました」と塩澤さん
1階の大容量のファミリークローゼットからランドリーを見通す。ランドリーには室内干し用のパイプやアイロンがけができるカウンターを備え機能的な配置に。撮影地点の右手から洗面へも抜け、ゆとりある広さと動線により、大人数の家族でも混雑しにくい








